利用者が減少する公共交通機関
今回は公共交通機関の利用率について考えてみたいと思います。
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全国のバス事業者の多くが赤字
国土交通省によれば全国の乗り合いバス事業者の約7割、大都市部分以外では約9割の事業者が赤字だそうです。
燃料費や人件費の上昇により、地域のバス事業者にとって厳しい経営環境は大きな問題となっています。
今後も地方を中心に利用者の減少や路線の廃止、運行本数の減少といったサービス水準の低下が進み始めています。
公共交通機関が使われなくなる理由
公共交通機関が使われなくなる理由は以下に挙げられます。
モータリゼーションの進展
地方では、個人の移動手段としての車が依存しており、公共交通機関を利用する人が少ないのが現状です。
また、公共交通機関の運賃が高くなると、個人の移動手段として車を選ぶ人が増えるためです。
運行の少なさ
公共交通機関の本数が少なさも問題です。しかし、利用客が少なくなれば、事業者は減便や路線の見直しをせざるを得ません。
減便や路線見直しを行うと、利便性は低下しさらに利用者は減少していくという悪循環に陥っています。
少子高齢化の現状
少子高齢化が進む現代社会では労働人口が減少する中、企業が集中する都市圏に若い人が仕事を求めて向かうため、地方の人口は減少。公共交通機関の利用者は減少してしまいました。
増え続ける交通難民
一方、公共交通機関の路線廃止によって交通難民が増えています。交通難民とは、日常生活において自家用車を持たず移動に不自由を強いられる人のことです。
以下に詳しく説明します。
公共交通機関に頼らざるを得ない人
地震で交通手段を持たず、移動に公共交通機関を頼らざるを得ない交通難民は、整備が不十分な地方で深刻になっています。
年少者や高齢者
交通難民の多くは、年少者や高齢者、障碍者です。自家用車を運転しない、またはできない人が移動する場合、電車やバスなどに頼らざるを得ません。
交通難民対策の取り組み
公共交通機関は地域の基盤ですが、その維持は地域にとって大きな課題です。
少子化や人口減少により、その経営は急速に悪化している状況なので、規制の緩和や多様な交通集団の組み合わせ、身の丈にあった交通網の形成が望まれます。
自治体では交通難民の問題を解決するためにコミュニティバスの導入やスクールバスの活用、予約があるときに運行するデマンド型交通の導入など様々な取り組みを行っています。