道路の定義と役割
道路の定義について
道路とは、一般的に車両や歩行者が通行するための通路のことを指しますが、法律上の定義は少し複雑です。建築基準法では、道路の定義が主に2つ規定されています。
1つ目は、建築基準法第42条第1項に定められた5つの要件を満たすものです。具体的には、道路法上の道路、都市計画法などによる道路、建築基準法施行時に既に存在していた幅員4m以上の道路、2年以内に事業が執行される予定の道路、特定行政庁が指定した私道などがこれに該当します。これらはいずれも幅員4m以上であることが条件とされています。
2つ目は、建築基準法第42条第2項に定められた、建築基準法施行時に既に建物が建ち並んでいた幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものです。この場合は4m未満でも道路と見なされる可能性があります。
このように、建築基準法上の道路の定義は、単に車両や歩行者が通れる通路というだけでなく、一定の要件を満たすことが求められています。
道路の果たす役割
道路は、人やモノの移動の場を提供する交通機能を主な役割としていますが、それ以外にも様々な役割を果たしています。
まず、道路は国土や地域、都市を形成する基盤としての役割があります。道路網の整備状況によって、土地利用のあり方が大きく変わってくるのです。また、災害時の避難路や緊急車両の通行路としても重要な機能を持っています。
さらに、道路は環境面でも大きな役割を担っています。自動車の排出ガスによる大気汚染の問題があるものの、道路沿いの植栽などによる緑化で、気温の上昇を抑える効果や、街並みの景観向上にも寄与しているのです。
このように、道路は人々の日常生活に欠かせない社会基盤であり、交通機能だけでなく、国土形成、防災、環境保全など、多岐にわたる役割を果たしているのが特徴です。
道路整備の目的とは
道路を整備する目的は、主に3つあると考えられます。
1つ目は、人やモノの移動を円滑にすることです。渋滞緩和や物流の効率化を図り、社会経済活動を支えることが道路整備の大きな目的の1つとなります。
2つ目は、国民の安全・安心な生活を確保することです。災害時の緊急輸送路の確保や、犯罪の防止につながる防犯灯の設置など、道路は防災や防犯の面でも重要な役割を担っています。
3つ目は、良好な生活環境を創出することです。道路沿いの緑化や歩道の整備、バリアフリー化による高齢者や障がい者への配慮など、快適で質の高い生活空間を実現するために道路整備は欠かせません。
このように、道路整備の目的は交通の円滑化だけでなく、安全・安心、良好な生活環境の実現など、国民生活を支えるための多角的なものとなっているのです。